回転舞台

回る舞台で恋をした song by Ataru Nakamura

雪組『ローマの休日』を観た。2

7/1マチネ感想。

 

ジョー・ブラッドレー 早霧 せいな

年齢不詳(笑)
いや映画だとグレゴリー・ペックがおじさんに見えるだけで役の年齢は若いんだったっけ。
若くてハンサムな、と形容されている瞬間があったので若いんだろうし、ちぎの容姿はそりゃあもう若くてハンサムなんだけど、なんだけど...声だったり喋りだったりがおじさんなのかなあ?幕開きは見ててルパンを思い出しました。

 

ちぎのお芝居好きで。いやお芝居を批評するような知識や経験を私は持ち合わせてないけど早霧せいながその役の人物として舞台の上にいる様を見るのが好き。
だから私にとってはちぎがそこで演じているだけで大正解なんだけど(甘いな)、初めはちょっと役がふわっとして感じられて。いくつなの?怒りっぽいのかな?忙しいだけ?どういう人?あ、なんか喋りがうっすらルパン...?みたいな感じ。映画は見てるんだけど。
だったんだけどもアーヴィング(彩凪 翔)や同僚や上司、そしてアン王女と絡むことで一気に人物像が見えてくる。

んで眠っちゃうアン王女をお部屋に連れていってから開眼しました。

これはちぎに「生活感萌え」をさせていただく公演だと...!!

 

お部屋で面倒くさそうにアン王女をあしらう、というよりその面倒を処理するジョー
引き出しを開ける、上着を脱ぐ、お酒を作る、バスルームに案内する、眠る女をシーツで転がしてソファに追いやってニンマリする、布団をはぐってベッドにもぐる、という、一つ一つの動作に見える生活感。
しかもそれをパジャマ姿でやるんだからそりゃ萌えるわ萌えますわ。

仕草が自然でかっこいいから思わず目で追ってしまって、そうするとそのリアリティから人物像が見えてきてまた物語がすとんと入ってくる。
この間までおろ?とか言ってた人が。腰を落として刀を振ってた人が。上司に言われて走り回ったりベッドカバー丸めたり女のアイスを持ったりしてる。ぎゃー萌える。ありがとうございますごちそうさまです。

宝塚だからスーツはだらしなすぎずそれなりにぱりっと着てるけれども、ちぎの演技力でヨレて見えるよ。"あのアメリカ人のジャケット見てよ、いかにも昨日と同じスーツって感じね" "でもハンサムだわ" "まあそこに関しては文句ないわね" "むしろあのよれた襟がキュート♡"とかって街の女ABCにでもなってきゃいきゃい言いたい。

 

上司といえばちぎみゆちぎ翔だけでなくちぎだいも楽しめる公演でした。ジョーはたくさんの人と絡むから良い主役だなあ。

 

前半にあった彼の焦燥感ががラストにはすっきりと無くなって一回りも二回りも大きくなって見える。

様々な経験をして力が抜けてより男として魅力的になっていく過程って、まるで男役人生そのものじゃないか。
それを演じるってどんな気分なんだろう。

 

 

◇アン王女 咲妃 みゆ

みゆちゃんがかわいいので今日も世界は平和です。
るろ剣のとき心配だったお声もだいぶよさそう。お大事にね。
どっちかというとわたしは好みの娘役ではないのでなんともあれなんだけど、さすがはみゆちゃんとっても上手でかわいかった。
彼女はもちろんオードリー・ヘップバーンではないけれども確かにアン王女だった。


スペイン階段でアイス食べてるときのナンバー、階段からアイスを持って降りてくるときお靴のストラップが外れちゃったのはアクシデント?だよね?その後ちぎジョーに持ってもらって留め直して歌う、っていうのがすごくものすごく自然でそういう演出なのかと思った。ちぎみゆすごい。

 

真実の口のシーンは彼女にさせるためにあるんじゃないかってシーンですね。みんなゆうみちゃんをああやって驚かしたいに違いない。びっくりさせて怖がらせてうっそぴょーん!→バカバカ!!→抱きしめてあやす、っていうのやりたいわ。みんなやりたいでしょそうでしょ。もしくはちぎにさせたいでしょ。
私が見た公演ではも~~びっくりした~~~のあとにもう1回ワッ!!ってやってんもー!!!ってされてた。ああかわいい。
ここアドリブすごいことになってそう。

 

初めもうこんな生活イヤ~~ってベッドで泣いてるときは幼かったのに、ジョーと時を共にし決意を新たに大使館に戻ってからの謁見(でおかしくない?)のシーンはぐぐぐぐっと大人っぽくて気高い。
そうか大人になったんだね!少女から女性になったんだね!君を成長させたのは恋なんだね...!ジョーとアーヴィングに声を掛けるシーンでは王女様立派な振る舞いでございます!!!ってな感じでやっぱり泣けてしまった。
この成長が映えるのもみゆちゃんだなあ。

 

ほんとにちぎみゆは素人目に見ても演技の相性がぴったりな二人。