回転舞台

回る舞台で恋をした song by Ataru Nakamura

花組公演 『ハンナのお花屋さん —Hanna’s Florist—』観劇感想 1

1: パラダイスプリンスなお花屋さん 

 

『ハンナのお花屋さん —Hanna’s Florist—』を観てきました!
といっても実際の観劇は初日の次の日のマチソワだったのでもう2週間くらい経過してしまってます。
また近々観られるのでせっかくだからそれまでに初見の感想をちゃんと残しておこうと...
しかしあれですね、久々にマチソワなんてしたらなんかどっと体力もってかれたわー。
ハンナのお花屋さんという公演の内容によるものってのはあるとはいえ。
これ毎回してる百戦錬磨の皆さますごい。

 

さて感想!
まず今回私は言っちゃ悪いのですがすごくすごくハードルを下げておりました。
現代もの?しかもACTシアターでしかやらない??
それでもって景子先生で題材は花屋?なになに舞台はデンマーク
地雷?絵本?
あぁ~...なるほど~...
みたいな感じでした。
つまるところ「私の趣味じゃないだろうな」と思っていた。
「ほんわかハートウォーミング方面、現代ものゆえのリアルで重苦しいストーリー、どちらに転んでも好みじゃないだろう」と思ってた。

 

そうこうしてるうちにキキちゃんの組替えが発表され、衝撃から立ち直るため心が「ハハッ組替え商法ですか???」というようなヤケを起こし、
じゃあ回数見たるわ!!花組最後だし!!!お芝居が苦手な感じでもオリジナルだからフィナーレはあるだろ!!!
それに景子先生ならきっと衣装はきれい!!!!!
10分のフィナーレに8,000円払うよ私そういうタイプのヅカオタだからな!!!

ぐらいのテンションでした。
それを前提にして言うのなら...
結構おもしろかった。

まず演出家植田景子について。
私最近の景子先生の小劇場作品は全く見ていなくて。
観劇もしてなければ映像でも見られてない。
オネーギンとか双頭の鷲あたり評判よかったからそのうち見たいなとは思いつつ。
逆に大劇場のは私が宝塚をちゃんと見始めた2009年頃からはロスグロ以外全部見てて、
そのうえであまり好みでなかった...のよね。
だからそのイメージで凝り固まってて景子先生の作風は好みじゃない、と思ってたのですが。
今回ハンナのお花屋さんを観劇して大事な作品を思い出しました。
パラプリだこれ。
そうだそうだ、景子先生で現代ものっつったらパラプリじゃん!と、花屋で働くメンバー達のやり取りを見て思い出した。

 

宙組公演『Paradise Prince』、まだ本格的にヅカオタになる前に見た作品だけど印象深かったのか、
2009年『薔薇に降る雨』/『Amour それは・・・』で蘭寿さんにハマった時に同行者の母に
「あの男爵の人は前に薔薇をくわえて踊ってた人?」
「あのピンクの衣装で手話してた人は前の公演で薔薇をくわえてキザに前髪を一筋下ろしてた人??」
なんて質問攻めにしておりました。
蘭寿さんファンになってから何回もDVD見たなー懐かしい。

 

あったわ。景子先生で好きなのあった。パラプリあったわ。
と客席で納得する私。
パラプリも「いや漫画かよwwwねーよwwwwあほかwwこれだから宝塚はwwwご都合主義かww平和ねwww」と笑い飛ばしたくなる部分がありつつ、
それでもなんだか登場人物みんなが愛おしく、みんなどうかどうか幸せになってね...!と願いたくなるような話じゃないですか。
ハンナのお花屋さんもそんな感じでした。

 

なんていうか現代社会の怖いところ、きれいごとではいかないところと、

宝塚世界の優しさみたいなものが良い具合に補い合ってた、みたいなイメージ。

宝塚らしくもありらしくなくもあり、その辺りのバランス感覚がいい感じでした。