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回転舞台

回る舞台で恋をした song by Ataru Nakamura

月組『ロミオとジュリエット』を観た。3 ジュリエット・ベンヴォーリオ感想

◇ジュリエット(愛希れいか)

素敵でした。すごく好き。

顔が小さい。頭が小さい。腕が長い。

背が高くすらっとしているけど体を持て余さず、堂々とした立ち姿。

死後のデュエットダンスがめっちゃくちゃ綺麗でかわいかった。

男役と同じ振りを踊って魅力的に見える娘役と、男役と違う単独の振りを踊ることで輝く娘役と両方いるけど、

私にとってちゃぴは前者。

動きの伸びやかさがすごく生きてた。

フィナーレのデュエットダンスは少し緊張して見えたけど、

そこは慣れればきっとまた素敵。

ジュリエットの演技はとにかく気迫があってよかったー。

発する心の動きが素直で、それにもかかわらずその感情を乗せても大丈夫なだけのテクニックがあって。

うわーっと盛り立てて喋っても噛まないし、声を張り上げて歌っても枯らさない。

感情が強く出てきても仕草をおろそかにしない。

すごいよー。

多分ちゃぴって体を動かす勘がすっごくいい。

歌は高音部がちょっと危ない感じがするものの、

十分歌えてるなあと。

歌詞がはっきり聞き取れるし、感情を乗せて歌ってるから分かりやすい。

衣装はゴテゴテした印象のものが少なくて本人の持ち味に合ってたし、

髪形もどれもかわいくて楽しかった。

特に、仮面舞踏会でのアップスタイル(バラの髪飾りかなにか付けてる?)と、

服毒のとき・・・だったかな?のダウンスタイル(耳の上あたりで髪を一筋くるくる巻いてあってバラの花みたいになってるの)が好き。

フィナーレのパレード時のブーツがかなりおもしろくて好き嫌い分かれそうだけど、

あれは誰の案だろう。

白黒のパキッと感なかなかのインパクトで、結構好き。

メイクはアイメイクがちょっと重たいのと(上側にばっかり盛りすぎでヌケがないような)、

ベースメイクに陰影がないのがちょっとさみしい。

元のお顔はかわいらしいけど表情がなかなかアダルトでクールなので、

もっともっと美女系のメイク顔になれると思うんだ。楽しみ。

テクニック如何はわかりませんが、私はとにかく好きなジュリエットでした。

観た後の爽快感が嬉しい。

ああ彼女は自分の人生をまっとうしたのだな、っていう感じ。

誰にも私の人生に対してとやかく言わせない!私は私の生き方とその終わりに満足したわ!って感じ。

単純に気が強いとか男前とかそういう言葉で言えないような、そんな感じ。

これはまあ、ちゃぴ本来の力もあるでしょうけども、

ロミオの死に気付いて自らナイフで命を絶つ、そのときの歌が大きいよなー。

「とにかくナンバーを素直に歌えばジュリエットになれる、と小池先生に言われた」と語ってたのはナウオンでしたっけ。

ほんとにそんな感じ。

でも素直に歌うってさらっと言うけどできるのがすごいよ。

とにかく今後もっとダンスがみたーい。

アルジェのアデール・アステアのときはずいぶん大変そうに感じたけど。

あれやっぱ難しかったのかな。

◇ベンヴォーリオ(星条海斗)

マギー!かっこよかった!

ああいう人がいなきゃ舞台はつまらない。

平均身長低めの月組さんには、マギーのおっきさで華がプラスされるし。

髪形もよく似合ってた。かなりプリンになってきてましたがそれがまたエキゾチックでいい。

なんかこういろんな人種の血が混ざってる感じが増していい。

世界の王のナンバーに入るところ、ロミオー!ここにいたのかー!ってコケちゃうのもかわいい。

粗忽者カワイイ。

色々なところでマギーの声量大爆発!に対する不安が聞かれたけど(笑)、

どうやって伝えようは緩急ついててよかったですよ。

後半はかなり張り上げてるけど、

張る前にふっと緩めたり抑えたりするから意識してるんだなーと。

またその抑えたところが涙声できゅんとするのだ。

かわいいようベンヴォーリオ。

まっつ(未涼亜希)のベンヴォーリオは聡明さゆえの粗忽者、賢い子なんだけどうまいこといかない子、という感じがしたけど、

マギーはその逆で粗忽者ゆえの聡明さ。というより視野の広さ?

元々がそこまで賢い子でないからこそ、やーいやーいとからかわれるたびに、

人を観察する力を付けた子。

なんかそんな感じ。

私は本来のマギーさんは頭の回転の速い人だと思っているので、

粗忽者っぽさはベンヴォーリオとしての演技の成せる技なのでしょう。

ただ、私マギーの目には深い洞察力を感じちゃうんだよなあ。

そっちの方はマギーの力かも。

どうやって伝えようのあと、マントヴァのロミオに実際に告げますが、

そのときのマギーベンヴォーリオの背中のかわいさよ。

あれ絶対背中見た方がいい。

ちっこく丸まってるのだ。

まさおもみりおもマギーより背は低いのに、その二人よりちっちゃくちーっちゃくなってロミオに話すの。

声も相まって、めっちゃくちゃ切ない。

おそらく私、まっつの「どうやって伝えよう」は歌として聞きすぎてしまってたんですよね。

まっつのナンバー、そしてマントヴァのシーン、っていう感じで見てた。

だけどそうじゃなくて、どうやって伝えようのナンバーはそのあとのマントヴァでのシーンのためにあるわけじゃないですか。

だから今回は、マギーの歌がスマートすぎないことに助けられた。

なんかほめてないみたいだけど、いい意味で不器用な歌唱の部分があったおかげで、

サラサラ流してしまわず心に留めて聞けたのです。

だからもーマントヴァのシーンで泣けた。

ロミオに辛いお知らせをするのが初めてだったベンヴォーリオ。

そらあんなちっちゃくなるわ。

あと終演後キャトルで世界の王のときのロミオ・ベン・マーのすっごいいい笑顔の3ショット見たらまた泣けた。

「昨日までの俺たちは世界治める王だった」の通り、なんかもう・・・

青春の一ページ!って感じの写真なんだものー。゚(゚´Д`゚)゚。

もうあの日々は帰ってこないのだよ。

一番大事な輝く時間だったろうに、ほんの数日で自分たちの世界が変わってしまった。

でも、ベンヴォーリオはわかっていた。

きっかけはほんの数日のできごとでも、根底にあるものは何年も前から続いてるものなんだと。

だからこそそのベンヴォーリオが、「僕たちは被害者だ」って言うんだな。

あれは多分、年齢とか立場だとか人にどう見られるかとか関係なく、

素直に出た言葉なんじゃないかなあ。

僕たち子どもはあなたたち大人の被害者だ、って、

そう思ってても案外子どもは言うのをはばかってるから。

子どもは子ども間の空気は読めなくても、大人の空気は読んじゃったりするから。

でもそんなことをかなぐり捨てて言い切ったベンヴォーリオの心の動揺や衝動が見えた。

そしてさらに、ベンヴォーリオは気づいていた。

本人は分かっていなくても、ずっと早くから気づいていたはず。

危ないバランスで拮抗している関係を崩すのがちょっとしたきっかけなら、

それを戻すきっかけもほんの少しの歩み寄りでいいということに。

・・・なーんていうことを考えて妄想したくなるベンヴォーリオでした。

そういえば、雪組さんは「ベンヴォーリオは後にヴェローナ大公になる」という話をしてましたが、

月組さんは「ベンヴォーリオはキャピュレットの女性と結婚してヴェローナ大公になる」と言ってましたねw

元は誰の発言なんだろう。